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YOUNG GUITAR 1996年9月号 ジェイク特集!!

YOUNG GUITAR 1996年9月号 Jake E.Lee特集!

(少し遅くなりましたが…)あけまして、おめでとうございます。新年最初のYOUNGGUITARジェイク特集記事をご紹介させていただきます。

 この記事の冒頭にありますように、「2年半ぶりのインタビューをご堪能あれ」という言葉に沿いまして、新年を祝い、今回の記事のインタビュー内容を全部、紹介したいと思います。結構、長くなりますが、よろしくお願いいたします。

「僕はミュージシャンであり、これが好きな音楽だ」という意思表示の作品なんだ。

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Youngguitar19969

YG:バッドランズ解散後の活動に関して聞いておきたいんだけど、'93年頃、元WWⅢのマンディ・ライオンとプロジェクトを始めたよね?

JL:彼の名前は言いたくないんだけど(笑)、確かにマンディとはプロジェクトを演っていたし、僕にとってそれはクールな音楽だった。でも、彼にはそう思えなかったみたいでね…、結局止めてしまった。如何にも僕が演りそうな、つまり的を得たものもあったんだけど、お互い考えている事にズレが出来てしまったんだね。それに…、彼は特異なキャラクターの持ち主でさ。実に変わっている。そんな彼と、その後人間として付き合っていけるか、それを見極めるために、3ヶ月のアメリカ国内ツアーに出たんだけど、3カ月後には無理だという事が分ったよ。共作という形をとっていた曲には僕は満足出来なかったし、仲間として一緒に行動するのは無理だと感じた。結局それっきりさ。

YG:ツアーにも出ていたのは知らなかった。

JL:オリジナル以外の曲がほとんどだったけど。そう言えば、あのツアーのブートレッグが2~3枚出ていたよ、日本でね(笑)。

Jake19969

YG:信じられないね。で、今回のインストゥルメンタル作品に至る訳だけど、インストにした理由は? シンガー探しにウンザリしたって事?

JL:色々な事が折り重なった結果だけど、暫くの間シンガーの事を心配しないでいよう…と、そんな思いがあったのは確かだね。思い返してみれば、対バンドとの問題はあったものの、僕はレイ・ギランを凄いシンガーだと認めていたんだ。だから、彼と別れた後、彼のような実力者を再び見付けるのは難しいと思ってね。実はマンディと組もうとしたのは、レイとタイプが違うからなんだよ。アプローチが違えば「レイならもっと巧く唄えたのに」と後悔しないで済むだろ? ところが、最終的にはマンディともダメになって、出発点に逆戻り。その時に考えたんだ、「レイくらいのシンガーを探すべきか、それともまったく違う方向に進むべきか」ってね。そして結局、「シンガーと組まずにインストゥルメンタルを演るのに良い時期かな」という考えに落ち着いた訳だけど、インストゥルメンタル曲はその時既に2曲くらい書いてあったし、今回収録した「Galaxy Of Tears」はバッドランズのアルバムに入っていたかもしれない曲なんだ。だから、僕にとっては”突然のインストゥルメンタル作品!”という事でもないな。

YG:それにしても、オジー、レイ、マンディー…、常にシンガーとの人間関係で巧く行かなくなってしまうよね。

JL:レイの時は”彼とバンド”という対決構造だったけど、確かにいつもシンガーと僕は巧く行かないね(苦笑)。でも、次のアルバムはシンガーを入れるつもりなんだ。今回同様、僕がギター以外の楽器も弾いて、ドラムもプログラミング…、つまりバンドという形にはならないだろうけど、歌入りの作品にしようと思っている。

Yellow

YG:今回はドラムもプログラミング…って?

JL:このアルバムには僕以外、誰も入っていない。ドラム・マシーンは僕がプログラムしたし、ギターはもちろん、ベース、キーボードも僕が弾いているって事さ。「The Rapture」に入っている女性のナレーション以外は、全部僕が演っているんだ。

YG:まさに”ソロ”作品という訳だね。さて、オジー時代にコンテンポラリーな技でキッズを唸らせたジェイクだけに、テクニカルなプレイ作品になる!?という予想も少しあったけど、蓋を開けてみれば、”技”よりも”音楽要素”が多彩なアルバムだった! 今回のテーマはそこにあったんじゃない!?

JL:それは考えていた事の1つだね。僕の場合、インストゥルメンタル音楽という言葉で連想するのが、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスの「Soulfinger」なんだ。今回のある場には僕のヴァージョンを入れたけど…、彼らは歌の無い中にムードを作り、メロディーを入れ、そして高いレベルに鍛えたテクニックも自然な形で披露している。それに対して、ロック界に出回っているインストゥルメンタル・アルバム…、特にギター・アルバムと言われているものを聴くと凄く退屈なんだ。腕の良さだけを認めさせようとしているようでね。僕はそうしたくなかった。ハーブ・アルパートほどムーディーでメロディックなものが作れたかどうかは分からないけど、少なくとも過剰なテクニカルさはないと思う。

Threeguitars

YG:アイデア豊富なバッキング・パターンを作る点で、ジェイクは一目置かれていた訳だけど、”クールなリフを作る”という事は今でも意識しているんじゃない?

JL:ウ~ン…、リフを含めて、このアルバムでは特に何か具体的な事を演ろうとしている訳ではないんだ。素直に曲を書いて、出来たものが出来たもの!って感じ。前もって焦点を定めていた訳ではない。だから、各曲のスタイルは結構バラバラだろ?(笑) ただ、今話したように、ムードとメロディーは重視したよ。朝起きた時に頭の中を巡っていたメロディーやリフ、あるいは、例えば悲しい孤独感に苛まれた時、それを慰めてくれたムーディーなフレーズとか、そんなものが詰まっているんだ。

YG:ジェイクが最初に手にした楽器はピアノだけど、”ムード”というキーワードを際立たせるため、ピアノを弾きながら曲を書いた事は?

JL:それはない。さすがに今ではギターの方が自由に表現出来るからね。13~14歳の頃ピアノで書いたお気に入りの曲はあるけど、今回のアルバムには合わないし…、キーボードで書く曲って何か映画のサウンド・トラックみたいな感じになるだろう? 今でもピアノは弾くし、それで曲を書く事がない訳じゃないけど、そんな曲を入れても誰も聴きたがらないだろうな(笑)今回はそれよりもペダル・エフェクターを買って遊んでいる内に出来たって事があったけど、そっちの方がYGとしては興味があるんじゃない?(笑) 「I Magnify」は新しいファズを試している時、20分ほどで書き上げたし、「Bludfuk」もペダル遊びの中から出来た曲なんだ。それにレコーディングで使ったペダルの数は66個…、ペダルこそ今回のキーワードになっているね。

Many

YG:確かに多彩なエフェクト音が入っていると思ったけど、66個!?

JL:記憶ではね(笑)

YG:ジェイクは元々アナログ派だったけど、そこまで増幅していたとは! デジタルのラック式エフェクターを使っていたのは遥か昔…、確かオジー時代?

JL:最後にラックを使ったのはオジーの始めの頃だから、「BARK AT THE MOON」の時だったと思う。あの時はオジーに言われたから仕方なしに使ったんだ。「ランディはラックを使っていた。それに巧い奴はみんなそうだ。だから思えも使え」ってね(笑)。イヤだったけど、それには従わざるを得なかった。と言うのも、それ以前、既にアームの件で僕はオジーと一度喧嘩していたから。

YG:アームの件?

JL:オジーにしてみれば「アームを使わずしてどう弾くつもりだ?」という事らしくてね。僕は「いや、アームは無くても大丈夫」と言ったんだけど、彼も引き下がらず「アームは必要だ! アーム付きのギターを買え!」(笑)。で、その時は何とか彼を説得した訳だけど、それがあったから、ラックの時は嫌な雰囲気を繰り返したくなくてシブシブ使ったよ。でも、ツアーではやっぱり満足な音が得られなくて、ラックはそれっきりさ。

Anp

YG:アナログ・エフェクターに魅かれる理由は? デジタルは音の線が細いって事?

JL:アナログとデジタルの違いは、ストラトとレスポール、古いマーシャルとメサ・ブギーの違いのようなものだと思う。レスポールやブギーは非常に安定していて、予想した通りの音が正確にでるよね? つまりデジタル・エフェクター的なんだ。ところが、ストラトや古いマーシャルはアナログ・エフェクターと同様、プラグを突っ込んだ時に何が起こるかわからない。言うなれば、思い通りの方向に進むかもしれないし、振り落とされるかもしれない、そんな荒馬を乗りこなすワイルドさと同じさ。僕はそっちが好きなんだ。だから僕が弾くのはストラト的なギターであり、アナログのペダル・エフェクターなんだよ。これに立ち向かう時は必死に格闘しなければならない。でも、そんな中から思いもよらなかった音が生まれる事もあってね。デジタルにはない面白さだよ。

YG:使用エフェクターの話も交えながら収録曲の紹介をしてくれる? まず「Exithouse」。

JL:この曲のリフが頭を巡っている時期、ウォーレン(デ・マルティーニ)から電話が掛って来たんだけど、その時、彼が猫に手を噛まれて救急病院に行ったという話から、「病院では大勢の人が死ぬ」というシリアスな話題になってね。要するに、人が死ぬ時には魂からそれぞれ違う色の光が放たれる…、丘の上から病院を見ていたら、それは映画の1シーンのように、とても眩しいライティング・ショウのようになるかもしれない…、と、そんな事を話していた訳。死ぬという事は悲劇だし辛い事だけど、そこから曲のアイデアが生まれたんだ。つまり、巨大な"exit house"(脱出場?)だよ。だから、少々不気味なものがあるだろ?

YG:モジュレーションがその感じを出しているよね。

JL:あれは、今回唯一使ったラック・マウントのZOOM。アルバム中、アナログ・ペダルではない音ってコレだけなんだ。2曲目の「Demon A-Go-Go」は、ギター・テクの家で彼のアーム付きギターを弾いていた時、アームによるコードの揺れから思い付いた。実際のレコーディングではアームを使わなかったけどね。次の「Soulfinger」はさっき話した通り、僕の大好きな昔の曲さ。「The Rapture」はオジーの頃に書いたもの。僕にはオジーの曲になり得ると思えたんだけどね…、彼はそれに何も加えられなかったし、バッドランズ時代のレイもそれは同じだった。だから、今回ギターを乗せて完成させたんだ。

YG:女性のナレーションが入っているけど…。

JL:実は当時のガールフレンドのために書いた曲なんだ。で、デモを本人に聴かせたら凄く気に入ってね…、彼女が詩を書いた訳。ただし、録音はそのガールフレンドではないよ。あれはエンジニアの奥さん。録音最後の日になっても良いナレーションが見つからなかったから、スタジオにいる唯一の女性だった彼女に「やってくれ!」(笑)。スペイン語の訛りがあったから少々不安だったけど、かえってそれが良かった。

YG:「Atomic Holiday」では”ワッワッワッ”というトレモロ系効果音が印象的だったけど、あれは?

JL:"Tremodillo"じゃないかな。基本的にはトレモロなんだけど、ボタンを押してスピードを半分にできるペダルなんだ。実に個性的だよね。次の「Galaxy Of Tears」を書いたのはバッドランズの時だったかな…、とにかく昔書いた曲で、コード進行が中々新しいと自負しているよ。アコースティック・ピースの「Luna Gitana」も古い曲で、16~17歳の頃に考えたアイデアが元になっているんだ。当時はアイデアとイントロにしたらいいのか、それともメロディーに発展させるべきなのか分からなくて、中途半端なまま放っておいたんだけど、それを纏めたのが今回のテイクさ。

YG:"Luna gitana"とは?

JL:"Gypsy moon"という意味のスペイン語だよ。発音が難しいね。

YG:最後の「Bludfuk}、それと「Atomic~」には逆回転のような音が入っているけど、あれは実際に弾いているの?

LJ:いや、逆には弾いてないよ。総てペダルさ。「Atomic~」に関して言えばPRESCRIPTION ELECTRONICSの"Experience"を使っている。逆回転のタッチを出すモードが付いているペダルなんだけど、良い雰囲気だろ? 「The Velvet Fire」では逆回転技で弾いたけど、あとはペダル技さ。ただ…、今回様々なペダルを大量に使ってはいるものの、まず大事にしたものは音楽そのものだからね。あくまでもペダルは曲に合うものを使っているし、無理矢理ペダルに合わせて曲を作るような馬鹿はしていない。そこのところは勘違いしないで欲しいな。

YG:エフェクト音に影響を受けつつ、より良い楽曲作りを目指した作品…という事になるのかな。

JL:そう…、それほど強烈な目的意識があった訳じゃないけど、つまりそういう事さ。ペダル・エフェクターを試しながら、自分で楽しめる曲を書いてアルバムに入れたって感じだね。それをみんなが気に入ってくれたらクールだけど…、とにかく「僕はミュージシャンであり、これが好きな音楽だ」という意思表示の作品なんだ。

YG:ところで、アルバム・タイトル"A FINE PINK MIST"に込められた意味は?

JL:実は去年の夏と一昨年の夏、僕はずっと病的な精神状態にあってね。その間、惨い映画とか殺人場面ばかりを集めた映画とかをビデオで観ていたんだけど、あれはジェームズ・ボンドものだったと思う…、スノー・スキーの追跡シーンがあってね、悪役が最後に雪を吹き上げている大きなファンの中に突っ込んでしまうんだ。すると綺麗なピンク色の霧が舞うんだよ(笑)。あと例えば、鳥が青空を飛んでいるんだけど、ジェット機が飛んで来てその鳥をエンジンに巻き込んでしまう、なんて映画もあったな。鳥は突然消えて、綺麗なピンク色の霧が残るだけ…、とても美しいんだけど、鳥から霧に変化する過程には恐ろしく暴力的な惨い事が起こっている訳だよね。悪役のシーンもしかり。それが病的にエキサイティングだと思えたんだ。ピンク色の霧(pink mist)なんて、パンジーみたいで華やかな響きがあるけど実は誰かの血だったという…、いわば、美しいものと暴力的なものの残酷な関係だね。少し考え過ぎかな(笑)。そんな感じさ。

Red

YG:ジェイクらしいアイデアだね。では最後に、5年間アルバム・リリースを待っていたファンにメッセージを。

JL:オジーのバンドに入ったのが83年、それから13年の間に、今回のアルバムを入れて5枚か…、ワォ! どうしてそんんあに時間が掛ったのか(苦笑)。こんなにスロー・ベースだった事をファンは許してくれるかな。とにかく、今回のアルバムはオジーともバッドランズとも違うから、最初は驚くかもしれないけど、ファンの人達は僕が演りそうな事だと分かってくれるんじゃないかな。そうでない人も、先入観を捨てて聴いてくれれば嬉しいよ。

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 予想よりも長いページになりましたが、今年こそは、YOUNG GUITARかBURRN!か、違う雑誌でも構わないので、ジェイクの喜ばしい記事が掲載されることを祈って・・・

「Take Me Back」を聴きながら・・・。

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コメント

管理人様、おはようございます!
今回はこんなにたくさんアップして頂き、ありがとうございました☆
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Duskが届くのを待っている私に、なぜか先にBOODOO HIGHWAYが届き?!(^o^)ノ、それに付いていた長いライナーノーツを読んで思いを馳せていたところに今回のこの詳しい情報をアップして頂いたので、お陰様で更に更に音源を楽しめています。
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しかし、Badlandsは聴けば聴く程、深みにはまって行きますね(≧∇≦)
オジーに戻れなそう。2nd聴いたら、1stにすら戻れなそう。
Duskでどうなっちゃうのか楽しみです。
本当にいいバンド。
徐々に買い進めて、A Fine Pink Mistまで辿り着きますね^^

投稿: アゲハ | 2012年1月10日 (火) 10時54分

アゲハさん、こんばんは。コメント、ありがとうございます。

注文したCDは前後逆に届いたのですか?

でも、オジー時代のものも良いですが、BADLANDS時代の曲も良いですよ。

もっとも、私が一番よく聴くのはアン・ルイスに参加して弾いているジェイクのギターですが…。

そうそう、ジェイクのいわゆるコレクター版と言われるDVDを手に入れられそうなので、近々画像や詳細をアップします。happy01

投稿: 管理人 | 2012年1月10日 (火) 22時49分

管理人様、おはようございます☆
アン・ルイス・・管理人様がJakeに落ちた、出会いの音源ですね^^
私はこちらでその記事を読み、早速ネットで検索して聴いてみようと思ったのですが、さすがにYouTubeでもアップされておらず、管理人様がここまで情熱を燃やすことになる程の音源が聴きたくて(Jakeの聴いたことのない音源があるのが悔しくて?!)実は、Jakeの参加しているアン・ルイスのCDは全部手に入れてしまいました(^o^;)
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私はShot In The Darkで落ちたので、やっぱり私のJakeの原点はUltimate Sinですね。
オジーに戻れないかもなんて書いたけど、ライブDVD観たら2秒で戻って来ますね( ̄▽ ̄*)
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BOODOO HIGHWAYは日本のアマゾンで購入したので、イギリスより早く届いたのでした。
Duskも届きました☆一発録りということで、ライブCDみたいに楽しんでいます。前2作とは別物ですね。
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コレクターズDVDのレビューも楽しみにしています(^o^)

投稿: | 2012年1月16日 (月) 10時40分

(多分)アゲハさん、だと思うのですが、コメントありがとうございます。返信が遅れました。

先ほど、DVDの記事をアップしました。

また、お時間のある時にご覧ください。

投稿: 管理人 | 2012年1月22日 (日) 14時38分

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